何の日を祝う

密林に立っている

忙しない

指の隙間から水が漏れ 光が斜めに差し切れた 都市は花が置かれる 十分に換気がされた部屋で 去りゆく細々とした用事に 挨拶もままならない生活に 春は流れ 緑が両目に落ちる わずかな思考 縋るべきにもたれたいが 絶えない強欲によすがを奪われる 絶えない人…

人類

降下する鳥 一直線に 向かうは知らず 休むことも知らず ついに日差しを貫いた すり減るこの身の 1センチ 長旅を続け 砂を運び 地理の上を汚し とうとう言葉も見つからず 浅瀬の波が束になる 重なっては消え 溢れる思考は薄手のまま ひとつとして一点には留ま…

春まで

私と春はここまでです あとはさようなら 苦虫を潰したようにしか笑えない それでも大事にとっておきたいことがたくさんあって 大切なものを大切にするために走る この街の天上はうらめしいほどに晴れ渡る そうして両脚がほつれ ぐらりと前に倒れ そこで初め…

カレンダーの染みが気になってしょうがないな

街路の匂い立つ朝に 今日も一つだけ好きなものを食べる 理解することが好きなだけ、本当はもっと楽に生きたい 金槌と犬 雲は早い 風は冷たく 安寧はとおく カレンダーの染みが気になってしょうがないな お手軽な朝食 いまだ回る水音 時間だけが今日も降り注…